コロナ後遺症、ワクチン長期副反応の方は下記、平畑光一先生による新型コロナ後遺症(ワクチン長期副反応含む)のサイトご一読をお勧め致します。

新型コロナ後遺症 https://www.longcovid.jp/

コロナ後遺症には多彩な症状があり、病院ではとりあえず対象療法となっています。それでは改善しない、あるいは後遺症や長期副反応を理解すらされず辛い思いをされている方も多いでしょう。

当院では2022年春に重度コロナ後遺症の方が来院されたことをきっかけに、コロナ後遺症およびワクチン長期副反応の一部は上咽頭の炎症による筋緊張ではないかと推測し始めました。理由は軽症も含め、肩が上がる、上半身が後ろに反るなどの独特の姿勢になっている方がみられるからです。

そんなことが?と思われると思います。私も思いたいです。こんなおかしな事ですが、後弓反張 (身体が後ろに反りかえる)は破傷風や髄膜炎など感染性疾患で見られます。新しい病気であるCOVID19で起こらないとはまだ言えません。

ですので当院の治療方針は、(1)上咽頭炎・副鼻腔炎の鎮静 (2)過緊張による姿勢の是正 (3)諸症状の個別治療の3つです。

コロナ感染後の血栓、心筋炎などについては治療方針が立ちません。これらに関わる愁訴がある場合は診察してから相談、提案させて頂きます。

ワクチン長期副反応

ワクチン長期副反応はその症状からこちらも上咽頭の炎症の波及ではないかと予想しています。当院では軽症一名しか診ておらず1回で軽快したのであくまでも予想でしかありません。

基本的には治療方針はコロナ後遺症と同様です。 肺の炎症など ウイルス感染による症状はないはずです。血栓など免疫にからむものは起こるのかわかりません。

翼口蓋神経節傍刺

後遺症にはBスポット療法(上咽頭擦過療法)、INSPGS(翼口蓋神経節刺激法)が効果を認めます。上咽頭周辺に抗炎症剤を塗布する治療で、耳鼻咽喉科で保険診療で受けられます。しかし行っている医院が少ない為、なかなか探すのが難しい状況です。

翼口蓋神経節傍刺は鍼によって神経節の側に刺激を入れます。元々副鼻腔炎の治療として発表されたものです。 交感神経に働きかけ、咽頭周囲の血管を収縮させて浮腫を低下、副鼻腔炎を改善させる働きがあるとされています。

コロナ後遺症、ワクチン長期副反応の方は副鼻腔炎や上咽頭の炎症がある方が多いです。あるいは、もう炎症は収まっているのだけれど筋緊張や浮腫のみが持続していると推察される方もおられます。

様々な症状の一部は過緊張とその結果の姿勢から起こっているのはないか。

ブレインフォグ、倦怠感、咳、聴覚過敏、味覚障害、動悸・・・コロナ感染やワクチン接種の後に出てきた不快あるいは重篤な症状には様々なものがあり、原因不明のものも多いです。

当院では独特な過緊張(顎関節の緊張、肩関節が上がる、頭・首・上半身が後ろに反る、下半身の脱力)が物理的に神経や内臓の動きに悪影響を及ぼしていると考え、鍼灸治療をしております。これが原因であれば、血液検査で明確な所見は出ません。

例えば、上半身が反ったまま固定されることによって呼吸がしにくくなり、胃腸の動きを邪魔するのかもしれません。顎関節の緊張が神経圧迫や血流不全などを生み、ブレインフォグや聴覚過敏、頭痛など頭部の症状起こしているかもしれません。エビデンスが無いことをここでお話しても仕方がないのですが、姿勢が改善され、過剰な筋緊張、拘縮が緩まると症状が減っていく過程が見られます。

来院された場合は、症状とその方の身体の形から治療方針を立てさせて頂きます。

味覚障害に関しては亜鉛の補充が効果が高いとされており、味覚を感じる味蕾が再生するには時間がかかります。味覚障害のみであれば病院にて亜鉛の血中濃度を計測および亜鉛の補充をお勧め致します。

治療頻度・回数

どのくらいで治るのか、診てみないとわかりません。感染療養期間直後の咳のみであれば数回です。炎症が続いていれば、その炎症が収まるまでとしかお答えせざるを得ません。

翼口蓋神経節傍刺はあくまでも炎症を抑えるだけの治療で、炎症を起こらせなくするものではありません。ただ、炎症が長引くと筋の拘縮など状況が悪化しますので、炎症を抑えるだけでも価値があります。

セルフケアで炎症を抑えるなら、まず鼻うがいです。鍼灸院に来れない方は鼻うがいだけでも1日3回なさってください。軽症であれば、これだけで回復することもあります。

鍼灸が有効かは、診てみないと、受けてみないとわかりません。よろしければ一度、お越しください。